上杉柊平がこなす!色気ある"リラックス"カジュアル

photography by JUNJI HIROSE styling by TAKAHISA IGARASHI
hair & make-up by MAKOTO ( juice) text by YUUKI SUZUKI (P106-107)

俳優、そしてKANDYTOWNのメンバーとして活躍する上杉が魅せる、ヴェルサーチェ。「派手でラグジュアリーなイメージも好きだったけど、ライフスタイルに寄り添うアイテムが多くて新鮮でした」と彼が感じた最新コレクションは、服はもとよりバッグも見逃せない内容となっている!

新鮮な色使いの中にも
“らしさ”も感じさせる

バックパック¥193,600、ブルゾン¥317,900、パンツ¥111,100、ブーツ¥155,100/以上ヴェルサーチェ(ヴェルサーチェ ジャパン)

渋いトーンのカラー使いがブランドの新たな一面を感じさせるセットアップ。一見普通のカモフラージュ柄かと思わせつつ、よく見ると当ブランドらしいグラフィックが。いかにもではない、こんなさり気なさが今の気分だ。ナイロンのバックパックにもご注目を。

デニムセットアップに
個性を取り入れる

キャンバストートバッグ¥188,100、デニムシャツ¥158,400、柄シャツ¥111,100、パンツ¥95,700、ネックレス¥55,000、ブーツ¥155,100/以上ヴェルサーチェ(ヴェルサーチェ ジャパン)

「このデニムはこの中で一番欲しい」と上杉氏も唸らせる1着。ややボクシーなシルエットを採用したジャケットとのセットアップも決して土クサくならず、イマドキな印象を。柄シャツを合わせ個性を取り入れつつ、ブランドロゴの施されたトートで小綺麗にまとめたい。

優しい印象を与えつつ
バッグでエッジーに演出

レザートートバッグ¥233,200※参考色、ニット¥174,900、パンツ¥111,100、スニーカー¥78,100/以上ヴェルサーチェ(ヴェルサーチェ ジャパン)

3パターンの生地を組み合わせたパッチワーク風のニット。フリンジを施すなど、細部にまでこだわりが。パンツにもルーズなシルエットを採用して、今っぽいスタイリングが完成。紳士的な印象ながら、バッグにはスタッズ風なメドゥーサがトガッた印象を加えてくれる。

今着たい!が詰まった
今季の主役級アイテム

ミニバッグ¥71,500、ショルダーバッグ¥108,900、ブルゾン¥286,000、Tシャツ¥63,800、パンツ¥95,700/以上ヴェルサーチェ(ヴェルサーチェ ジャパン)

ミリタリーの要素をディテールに採用しいかにもな武骨ではなく、リアルに着たいストリートに落とし込んだブルゾン。フードの脱着も可能なので、気分に合わせて使い分けられるのも嬉しい。また、合わせたショルダーバッグもまさに今着けたいサイズ感と言える。

Interview with
SHUHEI UESUGI

音楽も俳優もそうですけど、辛い99%に匹敵するくらいの楽しい1%がたまに来るんですよね。

中里 : 今日はヴェルサーチェを着ていただいての撮影でしたが、どうでしたか?

上杉 : 僕が勝手に持っていたヴェルサーチェのイメージとして、USのラッパーっぽい感じがあって。派手でラグジュアリーな感じというか、もうちょっとロゴが大きかったり、ブランド名の主張が多かったりするイメージ。でも今日撮影で着たものはカジュアルで、デニムも綺麗でしたね。スポーツっぽいものあったりして、ライフスタイルにすごく寄っているものが多くて意外でした。

中里 : キャプションにしたいくらいの素晴らしき回答!

上杉 : よし、模範回答!(笑)

中里 : 普段は今日みたいなラフな格好が多いんですか?

上杉 : ラフなのも好きですけど、割とカチッとする時もあります。私服ではバッチリスーツを着ちゃったり。日によってですけど。前日に見た映画に影響されちゃって、みたいな。

中里 : ああ、分かる。ちなみに今日のスタイルを私服に取り入れるとしたらどれが良かったですか?

上杉 : あのデニムパンツ(2枚目)。そこに白Tシャツ。で、革靴ですかね。上に自分の好きなTシャツを合わせるとか、どう着てもカッコいいかなっていう感じ。前までは全身でキメてっていうイメージだったけど、普段持っている自分の服に合わせられるような感じがする。それこそあのカモ柄のセットアップ(1枚目)を敢えてフジロックで着てビシャビシャにしてやりたいな、と思いますよね。

中里 : それはカッコいい。

上杉 : 前までのイメージだと、すごく大切に着なきゃいけない感じだったけど、今は生活に馴染んで使いこなせそうだなっていう気はしました。

中里 : ちなみに、上杉さんにとって忘れられない一着ってありますか?

上杉 : うーん、あんまりないかなぁ。いい服をちゃんと買おうって思いはじめたのは割と最近なんですよ。前はシルエットとかが良かったら安いものも買っていたんです。でも高くていいものを買って、それを長く着ようと思って。いいと思ったものをちゃんと長く着られる人っていいなと。

中里 : 最近、そんな服は買いました?

上杉 : マルニのデニム。あと今度オールデンの革靴を買おうと思っていて。今まで古着の軍モノの革靴でいいやと思って、ここ5年くらい履いていたんです。でもオールデンを買ってちゃんと磨こうと思って。だからこれからは思い出深いものが増えるかなって気がしますね。あ、でも大学生の頃に買ったナイキの80’sのナイロンパーカはなんとなく好きで、捨てられないなぁ。

中里 : そうだ、大学行っていたんですよね!?

上杉 : そうなんすよ。大学3年になって周りが就活を始めた時に、何かやりたいことをやってみようと思って、お芝居のワークショップに行ってみたんです。それで今の事務所のオーディションを受けて。それがある種、僕にとっての就活だったんですよね。

中里 : 自分からオーディションを受けに行ったんですね。

上杉 : もともとその前にちょっとだけモデル事務所に入っていて。今となってはいろんな服を着るのも楽しいけど、その頃はやっぱり自分の好きな服を着たいってなって。モデルはなんか違うって思ったんです。でも、もともと映画も好きだし、高校も演劇の学校だったから俳優には興味はあって。モデルをやったことで俳優に近づいたから、ある種のきっかけにはなってるのかも。

中里 : 上杉さんって、ちゃんと自分で選びながら人生を歩んでそうですよね。

上杉 : そうですね。そんな感じで僕、高校も海外の学校に行ってるんですよ。毎回そういう選択をして迷惑をかけつつも、支えてくれる人が親も含めて周りにいたのがありがたかったです。

中里 : 周りの方に感謝です。

上杉 : 特に母は頑張ってくれてたんだと思います。高校を卒業して帰ってきたら「お金なくなっちゃった」って、車が売られてましたもん。本当に大変だったんだと思います。本当、ごめんねって思ってます。親孝行しなきゃ。

中里 : KANDYTOWNのメンバーとはどこで出会ったんですか?

上杉 : 僕、2個上の学年にOKAMOTO’Sのメンバーとか、KANDYTOWNの呂布とかIOがいて。みんな地元が一緒だったんで、そこで知って、みたいな感じですね。あの界隈にいた人達が濃かった感じですね。

中里 : KANDYTOWNみたいに、地元の同世代でやっている感じが羨ましかったですよ。

上杉 : 我々はまあ随分特殊だと思います。今もそうだけど、カッコいいって思うものが一緒だったんです。毎週のようにどこかでイベントを打ってライヴをしていたし、そこに自然と人が集まって。違う学校のやつらもすごい多かったけど、突き詰めてるやつらがいっぱいいたし、誰かがまた面白いやつを連れてくるみたいな。

中里 : そういう雰囲気って自然と発生するものだと思うし、そうやって面白い人達が集まったのってすごいですよね。上杉さんって、俳優の時とラッパーの時とで、モードが変わらない気がする。

上杉 : やりたいことをやっていて、呼ばれている名前が違うだけって感じ。だから使うスキルは違うけど、ベースのモードは変わらないですね。一人の人間としてやっているというか。俺、生意気だし口調は変かもしれないけど、誰であろうと、絶対に尊敬と感謝を持って話そうと思ってるんですよ。自分は自分の人生を歩んできているし、その人にもいろんな人生があったはずだから、そこから何かを得られたらいいなって。今、話していて思ったけど、もともと嫌いな人も多かったけど、そういうのがなくなってきたのかも。

中里 : 大人になってきたんですね。

上杉 : うん。なんか、俺のこと興味持ってくれているのか、そうじゃないのかって、しゃべったら分かるんですよね。当時は自分が弱かったんだと思うけど、興味を持たれないのが嫌な時期はありました。でも今は「金持ち喧嘩せず」のマインドじゃないけど、なんかOK!ってなれる。どうでもいいって思えるようになってきたというか。

中里 : うちの編集長がよく「人生1回しかない」って言うんですけど、たぶんみんなそう思ってるんじゃないですか。でもそうやって生きることができるかできないか、その違いは感じることがあって。

上杉 : でも、そう思うのって結構キツいっすよね。「1回しかない」とも思うけど、かと言って、後悔しないためにやりたいことをやろうとか、勇気を出して好きな子に好きって言おうとか、できないですもん。「1回しかない」っていうのは根本にはあるんだけど、なかなか行動と結びつかなくて。だから日常の生活に関して僕は本当に決められない。海外の高校に行くみたいな、究極の選択はできるんですけどね。

中里 : でも究極の選択ができているってことは、そういう生き方ができている人なのかなって思うんですよ。

上杉 : いいよねって言われることもあるけど、「俺もな、毎日つらいから」って思ってます、本当に。

中里 : 辛いって感じること、ありますか?

上杉 : 99%が辛くて、楽しいのは1%だけですよ。ずっとそうですね。

中里 : 人間味があっていいっすね。

上杉 : 音楽も俳優もそうですけど、辛い99%に匹敵するくらいの楽しい1%がたまに来るんですよね。だから辛くても頑張れるわけで。全部辛かったらとっくに辞めてる。だからこのバランスでいいかなって思いますよね。たぶん楽しい比率がもっと高かったら続けられてないです。

中里 : 「楽しい」が1%しかないからずっと頑張っている感じ?

上杉 : 僕、一つのことにガーッと集中するタイプで、すぐに飽きちゃうことが多いんです。でも今の仕事は満足することがほぼないし、ずっと上があり続けるから、こうやって5年間も続けることができている。初めてそういうものに出会ったんですよ。

中里 : 役者としてはどういうところが辛いですか?

上杉 : もちろん肉体的な辛さもあるけど、結局精神的に辛くなっちゃうんですよ。もっと気軽にやれればいいんだけど、考えすぎて寝れなくなったり、メシが食えなくなったりしちゃうし。まあでも満足してない分、こうなりたいっていう目標値を逆算的に考えた時に、そこに近づく行動をちゃんとしてけば、いろいろと変化はしていくと思ってるんで。自分は満足しないけど、それで周りを幸せにできる可能性があるなら、とりあえずはそれでもいいかなとは思います。

中里 : 俳優をやっていて感じたことを歌詞にするみたいなこともあります?

上杉 : 完全にリンクしてますね。俳優業とか日常生活で思っていることが歌詞になって出ることはある。

中里 : じゃあ家の中でも常に考えている感じだ。家をいじるのも好きなんですよね。

上杉 : もともと実家に海外のインテリア雑誌がいっぱいあったのも大きかったかも。自分が座っていて見える景色や匂いとかを整えることが昔から好きなんですよ。自分が帰ってきたいと思える家を作るというか、「この空間好きだわ」って思えるところに自分がいたい。車が好きなのも、自分の空間が確保できてるからなのかも。他者と接触しない空間が好きなんですよね。

中里 : ってことは、あまり人を家に入れるのは好きじゃないですか?

上杉 : 人とタイミングによります。タイミングによっては全然いいって時もあるんですけど、基本的にはなかなか受け入れられないかな。だから誰かと会うことになっても、変に気を使わないで、せめて好きな時に帰れるっていうのが理想なんですよ。KANDYTOWNのやつなんかはどこも気を使わないから、うちに来てひと言もしゃべらないで2時間くらいマンガを読んで帰っていくみたいな。そういう関係って超ラクじゃないっすか。

中里 : でも、その関係性を今から新しく作るのって結構大変ですよね。

上杉 : たぶん人を大事に思ってるからこそ大変なんだと思うんですよね。これも自分の真面目なところなんですけど、中途半端に付き合っちゃいけないと思っちゃうから。

中里 : 結構繊細ですよね。

上杉 : そう。俺、繊細だし、傷つくのが怖いんですよ。自分がそうだから、相手の繊細な部分も分かるし。「これをやったらこうなるよな」とかも考えすぎちゃうかもしれないっすね。

中里 : 気を使わせないようにしてくれている、みたいな繊細さも感じますよ。

上杉 : そうなんすかね。できれば気を使わないのがいいんですけど、人ってそうもいかないじゃないですか。本当に唯一気を使わないのって、世界中で母親くらいですよ、たぶん。母親の前ではフラットでいられるっすね。でもそういえば、今なかなか外に出にくい状況ですけど、実は2020年、頭の中に掲げていたテーマは「外に出て人と会う」だったんですよ。

中里 : おお。

上杉 : 普段と違うところに顔を出したり、いつも断っていたところに行ってみたりしようと思っていたんですよ。今は状況的に行けないけど、俺の中でやるべきことだなって思いはじめていて。ある種、人生のテーマですね。

中里 : 行ってみたら変わることもあるかもしれないし。

上杉 : それでやっぱり違うなって思ったらやめたらいいし。「柊平はどうせ来ないよね」って言いつつも懲りずに誘ってくれる人たちがいるんですよ。ありがたいですよね。そうなると3回に1回は行こうかなって(笑)。

中里 : 自分のカッコいいところはどこだと思いますか?

上杉 : えー、どうだろうな。自分がこれって思うものに対してこだわりが強いところかもしれない。それは男としてカッコいいだろって思いますね。家も自分の空間も音楽も、ちょっとした細かいものでも、こだわっちゃうことがあって。例えば家のものが散らばっているとかは気にならないくせに、この時計は絶対にここに置きたいとか。すごく小さいところだけど、譲れないところは絶対に譲れないんですよ。一緒に住んでいたとしたら、カッコいいと思ってもらえるのか、迷惑かけるのか分からないけど(笑)。

中里 : たしかに。

上杉 : 夜中の2時とかに、それまで寝てたのに、「あの額とあの額、逆だよな」って、急に電気を付けて動かしたりしちゃうし。思い立ったらやっちゃう。でもこれ、自分のカッコいい部分なのかな(笑)。逆に客観的に僕を見て、カッコいいところってなんだと思います?

中里 : 初対面でまず思ったのは、ちゃんと男気があるなって。そのあとに繊細なところがいいなって。

上杉 : 繊細なとこ、カッコいいですか?

中里 : 両極あるってカッコ良くないですか?

上杉 : あ、でも分かったかも! 僕多分フラットなのがいいところで。

中里 : 穿っていない感じ?

上杉 : うん。なんて言うんですかね、全員平等だと思ってるんですよ。さっきの話じゃないですけど、職業も地位も、そんなもの関係なく、相手が幼稚園児であろうとフラット。だから幼稚園児とも平気で喧嘩できるし、尊敬もできる。逆に平気でおじいちゃんに怒られることもできるし、場合によっては俺が怒ることもできるんですよ。だけどめちゃくちゃ仲良くもなれる。コンビニの店員さんとか、知らない人でもすぐ仲良くなるから(笑)。このフラットさは自分でもいいなって思いますね。そこは自分でもカッコいいって言っていいのかなって。

中里 : たしかに。でもフラットな人が外に出たらめっちゃ疲れません?

上杉 : そう、疲れるんですよね……。

中里 : フラットだからこそ、一生懸命なんでしょうね。

上杉 : そうかもしれないですね。フラットにプラスして、楽しくさせなきゃって気持ちが出てくるから。その場がつまらないよりも楽しい方がいいし、だから疲れちゃうのかもしれない。でも人によって目線は変えない。

中里 : カッコいい。

上杉 : そう思いたい。僕が行っていた高校は、オーストラリアのすごい田舎で、アジア人もいなかったから、人種差別もあったんです。最初はそれが結構しんどくて。でも結局みんな違うじゃんって思いはじめて、人と自分を比べなくなったんですよ。違っていいんだって思えて、それが自信に繋がっていいったんです。俺はこれでいいっていうのがどんどん固まってきたから今怖くないっすよ。

中里 : さっきも今の生活に満足していないって言っていたけど、今後こうしていきたいみたいなものはあるんですか?

上杉 : 金持ち(笑)。たぶん金持ちになっても満足しないと思うけど。

中里 : 半分本気で、半分ギャグみたいな(笑)。

上杉 : うん。でもちょっとバカっぽいな(笑)。

中里 : 今日話していて思ったけど、常に自分を変えていきたいという欲があるんでしょうね。

上杉 : それはもう常にありますね。

中里 : 理想に向かって臨機応変に。

上杉 : ここは変えないっていうブレない芯はありますけど、それ以外にどうしたら満足できるかってのは考えてますね。だから常になにかにアンテナを張ったり、人と会ったりしなきゃなって。どんどん変わっていった先で、その時どうすれば考えると思う。

中里 : そのタイミングごとに100%ぶつかってるのかもしれないですね。

上杉 : 俺、あんまり先のことを考えていないんですよ。今の自分を満足させるためにはどうすればいいか、って感じでここまで来たから。俺、正直この仕事もいつ辞めるか、本当分からないと思います。今のところはそんな未来も見えてないけど、そう思っちゃったときはスッと辞められる気はします。

中里 : 潔さもまたいいですよね。

上杉 : だから具体的な目標ってあんまりないんですよ。家を建てたいくらい。その過程は空欄だけど、方法はいくらでもあるし、結果的に家が建ってればいいわって思いますね。何軒か建てたいですね。それで貸し出してお金持ちになってるみたいな(笑)。でも、一番大事なのは、そんな時でもやりたいことに素直でいる、まっすぐ生きる、人に迷惑はかけない。そんな感じでいきたいっすね。