斎藤 工が魅せる! 男のティファニー

photography by JUNJI HATA styling by SHINICHI MITER (KiKi inc.)
hair & make-up by MASAKI TANIMORI (W) text bt SATOKO HATAKEYAMA

多面的な才能と熱いパッションで、唯一無二の存在感を放ち続ける俳優・斎藤 工。意欲作への出演に加え、近年は監督やプロデューサーとしての活躍も目覚ましい。不惑を迎える今年はさらにその魅力を増し、よりいっそうの輝きを放つに違いない。まるで個性の異なるジュエリーを幾重にも重ねることで、魅力がさらに増すように。

クールなルックスに優美な輝きを添えて

“ ティファニー T ワン”リング¥511,500、バングル¥2 , 6 9 5 , 0 0 0 ※ ともに18KWG・ダイヤ、“ティファニー ハードウェア”ネックレス¥352,000、ブレスレット¥97,900※ともにシルバー/以上ティファニー(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)、ニット¥154,000/サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ(サンローラン クライアントサービス)

インダストリアルスタイルのリンクが象徴的なハードウェアコレクション。そのネックレスとブレスレットのコーディネートに合わせたのは、ブランドのイニシャルをパワフルにあしらったT ワンコレクションのブレスレット&リング。片側にセッティングされたパヴェダダイヤモンドのラグジュアリーな輝きが、黒ニット一枚のシンプルなスタイリングに映える。

カジュアルを格上げする大人のイエローゴールド

“ ティファニー T ワン”左手:バングル¥781,000、人差し指のリング¥286,000※ともに18KYG、小指のリング¥511,500※18KWG・ダイヤ、“ ティファニー ハードウェア”ネックレス¥2,420,000、左手:ブレスレット¥731,500、右手リング¥202,400※全て18KYG/以上ティファニー(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)、ブルゾン ¥253,000、カットソー¥44,000、パンツ¥84,700/以上サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ(サンローラン クライアントサービス)

ともすればその存在感だけが浮き上がってしまいがちなイエローゴールドのジュエリーだが、敢えてカジュアルな着こなしに合わせることで魅力が増すことをご存じだろうか。ニューヨークの洗練と反骨精神を巧みに盛り込んだSENSEらしいハードウェアコレクションのボールネックレスもそのひとつ。さらにT ワンを色気の滲む大人の男が身に着けることで、その輝きはMAXに。

モードなフォルムがライダースに映える

“ ティファニー T ワン”バングル上¥1,331,000※18KYG・ダイヤ、バングル下¥2.695,000※18KWG・ダイヤ、中指のリング¥286,000※18KYG、小指のリング¥511,500※ 18KRG・ダイヤ、“ティファニー ハードウェア”ネックレス太¥297,000、ネックレス細¥171,600※ともにシルバー/以上ティファニー(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)、ライダース¥201,30/ルイスレザーズ(ルイスレザーズ ジャパン)、他私物

大胆なモチーフやプロポーションでスタイリッシュな緊張感を保ちながら、180年を超える伝統とクラフトマンシップがクオリティと上品さを裏打ちするティファニーのジュエリー。その稀有な存在感は、レザーライダースのタフさとも丁々発止のバランスで、パワフルにマッチしてくれる。身に着ける人の個性と佇まいが加われば、最上のスタイリングに。

輝きを際立たせるならスタイリングは黒一択

“ ティファニー T ワン”バングル上¥2 , 6 9 5 , 0 0 0※1 8 K W G・ダイヤ、バングル下¥781,000、リング¥286,000※ともに18KRG、“ ティファニー ハードウェア”ネックレス上¥258,500、下¥500,500※ともに18KYG/以上ティファニー(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)、レザージャケット¥429,000、シャツ¥47,300、パンツ¥99,000/以上ヨウジヤマモト(ヨウジヤマモト プレスルーム)

身に着ける人の強さと限りないパワーを象徴するT ワンコレクションと、反骨のスピリットをエレガントに具現化したハードウェアコレクションは、SENSEのシグネチャーカラーである力強い黒のスタイリングとも好相性。黒がイエローゴールドやローズゴールドの輝きをいちだんと際立たせ、また、黒もその深みをさらに増すというように。相乗効果は抜群だ。

ハードなフォルムに有機的な遊び心を加えて

“ ティファニー T ワン”リング¥511,500、バングル¥2,695,000※ともに18KWG・ダイヤ、“ティファニー ハードウェア”ブレスレット¥168,300※シルバー/以上ティファニー(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)、シャツ¥124,300/エトロ(エトロ ジャパン)

上質なシルクシャツにプリントされた大柄のペイズリー。有機的な曲線がシックなモノトーンにマッチするように、ハードなメンズジュエリーもまた、プレイフルなアイテムに馴染んでいるのが面白い。選んだのは、シルバーのリンクブレスレットとホワイトゴールド×ダイヤモンドのバングル&リング。片方だけに身に着けるのも、大人のさり気ないテクニック。

Interview with Takumi Saitoh

「人間は必ずしも一色じゃないと思うんです」。

守谷:今号はティファニーのジュエリーで、色気のある佇まいを撮影させてもらいましたが、いかがでしたか。

斎藤:以前、雑誌の企画でニューヨークのティファニーの本社にうかがったことがあります。その時に改めてジュエリーの奥深さを知ったというか、世代的にもシンボリックなジュエリーが多くありますし、身に着ける人の品位を上げてくれるブランドというイメージがあります。自分が若い頃に流行ったのはペアリングでしたけれど、それ以外にもハードなアイテムがあったり、それこそレザーに似合うメンズラインもあったりして。革新的でありながらも、ブランドの歴史に紐づく文脈がしっかりと守られているところが興味深いなと思いました。

守谷:工君は自分自身をしっかりと持っている人だし、男性と女性の両方から支持されていて、撮影を傍で見ながら本当にセクシーな男だなと。男っぽさとセクシーさの両方を持つ人は、実はそんなに多くはないから。

斎藤:ありがとうございます。僕はたまに守谷さんのインスタライブを拝見するんですが、深夜帯で、その日の疲労を少し背負った守谷編集長の姿にも、めちゃくちゃ色気を感じますよ。伝えたいことはしっかりと語りつつ、いつものビジネスモードじゃない姿が魅力的で、一視聴者としていつも楽しく拝見しています。

守谷:いやいや、恐縮です(笑)。ライブ配信といえばYouTube は、もうやらないの?

斎藤:あの企画は、開設した後にいろいろと方向が変わってしまって。僕自身は持続したかったんですけれど、物理的にも身動きが取れない状態にもなっていったんストップしています。あの企画をきっかけにYouTube にもギアを入れられたらと思ってたんですけど、やや機を逃した感はありますね。

守谷:YouTube では、ギアをだいぶ変えていたように見えたし、初回からトバしていて面白かった(笑)。

斎藤:役者は、なにかひとつでも乗れば馬力が上がる職業です。キャラクターを着衣すればどこまでも行けるという特性が、あの企画では活かせると思ったんですけどね。

守谷:僕は工君の振り幅が出ていて、すごくいいなと思ったけどね。あそこに素の部分はあったりする?

斎藤:トークの部分に関しては、自分には全くない部分でした(笑)。ただ、みなさんが僕に対して感じてくださっているイメージや、固定された目線を壊したいという願望は常にあります。僕はたぶん人一倍、飽き性です。こと自分自身に関しては、かなり早い段階で飽きてしまっているので、自分という素材をどうやっていろんな味に変換していくかで、自分への興味を持続している部分があるんです。YouTube のようにハンドリングを変えていくことが、自分の中での持続性に繋がるというか。なので、自分なりの思考を貫いている人や、職人気質の方には相当憧れがあります。

守谷:世の中的には「斎藤工はスタイルがある」という風に見る人が多いとは思うけどね。

斎藤:どうでしょうね。だからといって「斎藤工ってなんとなくこういう人だよね」と掌握され過ぎたくないというか、簡単にジャンル分けされたくはない気持ちもあります。僕も「この人はこういう人だ」と決めつけてしまいがちですけれど、人間は一色じゃないし、違う面もある。常に逆張りをしていきたいなとは思います。

守谷:工君は時に制作側に回ることもあるし、俳優として自分を客観視できる部分もあるから、そういう視点が持てるんだろうね。今後また、ああいう企画をやる可能性は?

斎藤:どうでしょう。ただ、数年後のことを考えた時に、一過性のものにするのは良くないとは思っています。それこそSENSE という雑誌の新しい号が出れば、読者はページを開かずとも購入してくれますよね。SENSE に惹かれて……僕もその1人ですけれど、確固たるアイデンティティを感じるからこそ、芯を食った状態で持続していられる思うんです。それはきちんとした歴史があるからでもありますよね。だから今は、むやみやたらに何かを立ち上げることに、いい意味で「足踏み」をするべきなのかなと。

守谷:確かに今は、なおさらそうかもしれないね。

斎藤:例えば、映画だったら今は世界中のハイクオリティな作品がスタンダードになっていて、ドラマを見るにしても、テレビの地上波から選ぶというよりは、サブスクリプションで世界の何百何千というラインナップから選ぶことが普通になっている。そういう意味ではフェアな時代でもあると思うので、本当に作るべき作品なのか、必要なのか、ニーズがあるのか、誰かのプラスになるものかということを、全てのメディアが吟味するべきでもあると思っています。

守谷:そう考える時間を、コロナ禍が与えてくれた感はあるね。

斎藤:おっしゃるとおりです。今までの「なんとなく」というものが通用しなくなっているし、ユーザーも目が肥えていて、何かを見る予定はもう埋まっていたりする。だからClubhouse が一時期、盛り上がったというのは、もう耳しか空いてないから。そういう時代に、この作品が本当に必要かということを考えるのは、ものを作る人間には必須になってきたのかなと。だから、YouTubeをやるんだったら他のドラマはやりませんぐらいのものを背負わないと、たぶん務まらない。やる必然というものを見い出せたら、新しい何かが生まれる可能性はあると思います。

「人間の生々しさや発酵した部分を表現したい」。

守谷:工君の本業に対する真摯で真面目な姿勢は、前回の対談でもすごく感じたけれど、今回はちょっと意外な部分も聴いてみたい。さっき雑談で、身体を鍛えているという話をしてたけれど……。

斎藤:鍛えるといっても、僕は逆立ちオンリーです。ぶら下がり健康器もありますけれど、ほぼ、ぶら下がってないです(笑)。

守谷:キレイな身体をキープしているし、俳優だから役に応じて体重の増減も必要だよね。逆立ちってそんなに健康になるもの?
斎藤:逆立ちは、自分の状態がダイレクトに分かるんです。自分の体重や体調も分かる。トレーニングだとメニューを作らないといけないし、それをこなすとなると、僕は飽きてしまうんです。

守谷:意外(笑)。逆立ちは一日に何回ぐらいするの?

斎藤:寝る直前に逆立ちして、血を頭に戻す感じです。頭に血が上がってしまうので、時間は30秒から1分ぐらい。いろいろ見慣れない形になっていますよ。

守谷:それは違う意味で男女ともに反響がありそうな(笑)。

斎藤:見たことのない造形というか、トンボの顔みたいになってます。

守谷:ここですよ、このギャップ。こういうところが、男を惹きつけて、さらに女性を惹きつける!

斎藤:(笑)。メニュー通りにこなす日常の型に憧れはありますけど、数日すると自分の中で持続性が失われるんです。「よし、やるぞ」と言ったときがピークで、それをいかにサステナブル(=持続可能)にしていくかを考えると、自分がやりやすい方に引き寄せていくしかないのかなと。

守谷:その考え方は、日々の食生活にも実践していそうだよね。

斎藤:食に関しては、完全に発酵食品オンリーです。味噌を作ったり、野菜を漬けたりとか。きっかけは腸活で、発酵とや麹は調べるとすごく奥が深いんです。中国の麹は塊で、日本の麹は米粒状だとか、国や風土によって全然違う。昔の日本食はけっこう究極までいっていたというのも分かったので、基本、豆腐と納豆とキムチ、みそ汁という食事をしています。

守谷:その食事を実践して、身体は変わった?

斎藤:腸が活性化して、食事をきちんと分解するので体臭が消えました。身体の機能性も意識できるようになり、あとは、睡眠の質も上がったような気がしています。思考は脳で始まるというより、腸からスタートするらしく、40歳にして、やっとおなかに意識が向くようになりました。

守谷:すごいな。僕は50歳近くなっても、まだ向いてない(笑)。そして、工君と同じように、僕も飽き性です。この21年間、東京でいちばん男くさくてカッコいい雑誌を出すという意志は変わらないけれど、中身は毎号違う。でも、工君も、俳優もやれば監督やプロデュースもするという状況にあるわけで、人によっては逃げたくなる瞬間もあると思うけれど、そのあたりはどう?

斎藤:ずっと自分の立ち位置が、年齢とか見た目で座標のどの辺りにいるんだとかを気にしていたんですが、コロナ禍のタイミングで「自分がいなくなった世の中」を想像してしまったんですよね。そうなったときに、世の中的には何にも困らない、自分に対して無責任でもいいんだと悟ったんです。自分の人生が1本の映画だとしたら、自分の映画では主人公ですけれど、人の映画では自分は脇役です。主観を除くと出演者1人でしかないという気楽な目線を見つけまして。自分からのビジョンだけだと、余計なものも自分の肩に知らず知らずに乗っかってくる。守谷さんのような立場だと、そうやって責務が積み重なっていくんでしょうね。

守谷:まさにその通り(笑)。工君も監督側の目線が増えて、少し変わったのかもしれないね。

斎藤:そうですね。単独で何かを生み出すという業種だったら、僕はその目線を持っていないと思います。ただ、プロデューサーや撮影監督、出演者の方たちと一緒に作品という神輿を担ぎながら、走る脚力はギリあります。全部を背負い込む脚力はないことは自覚しているし、決して過信はしないという気持ちは、自分の身の丈を含めて分かっているつもりです。

守谷:それに関連して、公開中の映画「ゾッキ」のこともうかがいます。この作品は監督が3人いらっしゃって、オムニバスではなくちゃんと物語が繋がっている珍しい構成だよね。キャスティングも工君が自ら手掛けたそうだけど。

斎藤:はい。監督した部分は、それぞれが担当しています。ただ、最初は俳優さんにお願いする予定だったんですけど、たまたま別の番宣でバエティーに出演したときに「あ、あの人だ」という瞬間があって。ものづくりの場面にはそういう素敵な偶然があるじゃないですか。作り手の波動が合っていくような、全てを決めすぎなくても成立するクリエーションを実感できましたね。

守谷:あのキャスティングはすごく良かった。普通に感情移入できる作品って、最近はなかなかないから。僕は専門家じゃないけれど、最近の映画は完璧すぎて逆に気持ちが入らないというパターンもあるような気がして。ファッションも完璧な撮影だけなら誰にでもできるけれど、それにプラス何かが必要だったりするわけで。そういった部分でも「ゾッキ」は良かったな。率直に面白かった!

斎藤:めちゃくちゃうれしいです。ありがとうございます。実写でCGを効果的に用いた素晴らしい作品もあるのですが、僕は人間の生々しさみたいなものを少しでも感じさせたいと思うタイプなので、発酵した表現というか、人間の心の痛みというか、そういうものをこれからも表現していきたいです。むしろ今後の活路はそれしかないんじゃないかとさえ思います。

守谷:コミュニケーションが全部マッチングアプリで完結してしまう時代だから、「ゾッキ」のようなヒューマニティを感じられる映画が、これからもっと必要になってくると思う。今日はいろいろと深い話をありがとうございました。やっぱり工君との会話は楽しいし、面白い!

斎藤:こちらこそ、ありがとうございました。